自分の経歴を活かせる題材を思いつきました。
全国で開かれるイベントを、年間で一覧できるサイトです。
前職の経験がそのまま効く領域で、しばらく考えたなかでは一番手応えのあった題材でした。
需要も競合も調べました。いけると思いました。
そのあとで、肝心の情報をどこから取るかで詰まりました。
需要はあった
まず規模を調べました。
| イベント | 公表されている来場者数 |
|---|---|
| ある会場での2025年開催分 | 26万人 |
| 別の会場での2025年開催分 | 約6.5万人 |
1回のイベントで数万から数十万人が動きます。
年間で束ねれば、見る人の母数としては十分でした。
似たことをやっているサイトも探しましたが、
年間を通して一覧できるものは見当たりませんでした。
ここまでは順調でした。
壁は3つ、全部が「集める手段」だった
作れるかどうかを詰めていくと、問題が全部同じ場所に集まりました。集める手段です。
1. 公式のAPIがない
イベント情報は各所が個別に出しています。
機械で読める形では公開されていません。オープンデータ化されていない領域でした。
2. 公式サイトが自動アクセスを弾く
実際に取得を試したところ、3つとも403が返りました。
robots.txt 自体は緩いのですが、サーバー側でブラウザ以外を拒否する設定になっていて、
robots.txt を読んだだけでは分からず、実際に叩いて初めて分かる形でした。
迂回する作り方はあると思います。
ただ、弾かれている以上それが先方の意思表示だと読むのが自然なので、公開するプロダクトで取るべき手段ではないと判断しました。
3. 情報源が散りすぎている
拠点ごとに情報が出ていて、その数がおよそ160。
加えて都道府県単位の情報もあり、フォーマットは統一されていません。
手で集める前提にすると、更新のたびに全部を回ることになります。
SNSから拾う案も試算した
代替として、SNSの投稿を拾う案も考えました。
必要な規模で試算すると、300アカウントから1日10件を取る形で月450ドル、約7万円でした。
対象を絞れば月に数千円まで落ちます。
ただし絞ると網羅性が落ちて既存の情報サイトに勝てなくなり、その網羅性こそがこのサイトの価値だったので、絞った時点で作る意味がなくなりました。
同じ日に検討した別の題材では、これが起きなかった
面白かったのは、同じ日に考えていた別の題材では詰まらなかったことです。
違いは1点でした。母数が45で固定だったのです。
45件なら、手でメンテナンスできます。
増えないので、一度作れば維持コストがほとんど発生しません。
母数が固定か、増え続けるか。ここで手動メンテの可否が決まります。
似たようなアイデアに見えても、この1点で成立するかどうかが変わりました。
順番を間違えていた
反省としては、確認する順番です。
自分は「需要はあるか」「競合はいるか」から入りました。
どちらも大事ですが、データ源の確認が後ろに来ていました。
データが取れないと分かった時点で、需要も競合も関係なくなります。
先に確認していれば済んだ話でした。
もうひとつ気づいたのは、情報を扱うサイトの責任です。
イベント情報は、間違っていると人が動いてしまいます。
更新が止まった状態は、サイトが無い状態より悪い。
情報の保証ができない題材は、個人では維持できません。
これは技術というより運用の話でした。
見送りではなく、条件が分かった
この題材は棚に戻しました。ただ、やめたとは思っていません。
コストをかけずに取れる手段が1つだけ残っています。
そこに寄せると、全部を網羅するカレンダーではなく絞って紹介する形になるので、作るものは変わります。
作りたかったものとは違います。ただ、成立する条件のほうが分かったので、考える材料としては前より増えています。
次に題材を考えるときは、データ源から確認します。
