ポートフォリオの題材が決まらなくて、一度全部やり直しました。
結論から言うと、やり直した結果、最初に思いついていた案が生き残りました。
時間を無駄にしたようにも見えるのですが、実際にはこの過程がいちばん効いています。
同じところで止まっている人がいるかもしれないので、順番に書いてみます。
候補が6つに増えて、動けなくなっていた
フロントエンドへの転向を目指して学習を進める中で、「ポートフォリオに何を作るか」を考えるたびに案が増えていきました。
最終的に6つ。
- 学習の進捗管理アプリ
- ポートフォリオ作成支援ツール
- タスクシュート的な時間管理アプリ
- 自衛官向けの何か
- パワーリフティングのプレート計算機
- 家庭菜園の管理アプリ
問題は数ではなく、「じゃあ1本目はどれ?」が決まっていなかったことです。
記録を見返すと、候補は増え続けているのに、1本目を確定させた形跡がどこにもない。
増やすだけ増やして選んでいない状態でした。
判断軸を1つに絞ったら、きれいに並んだ
まず、判断軸を絞りました。
「実際に誰が継続的に使うか」
この一点だけで並べ替えたら、驚くほどあっさり順序が付きました。
使う人の顔が浮かぶものと、浮かばないもの。それだけの違いでした。
このとき最有力になったのが家庭菜園の管理アプリです。
理由は単純で、両親が実際に使ってくれるから。
「オリジナリティがない」を気にしなくなった
同時に、考え方が1つ変わりました。
家庭菜園アプリは、調べれば既存サービス(畑らく日記、SCIBAI など)がいくつもあります。
以前ならこの時点で「もう他にあるからダメだ」と切っていたと思います。
でもこれは市場に出す製品ではありません。
見せたいのは実装力と、設計判断を説明できることです。
そう考えると、既存サービスを大いに参考にしていい。
むしろ参考にしたうえで「自分ならここをこうする」と言えるほうが、自分としては納得できました。
オリジナリティのハードルを自分で上げすぎていました。
ついでに、計画のズレに気づいた
整理のついでに、学習計画とロードマップを開いて固まりました。
2026年4月時点の想定のまま止まっていました。
5〜6月に学習が停滞した時期があって、そこで前提が崩れていたのに、更新しないまま8月以降のマイルストーンだけ新しく積み増していた。
土台が古いまま上に足していたわけです。
ズレを消さずに残すことにした
ここで、書き換えるのではなく「変更履歴」のセクションを新設することにしました。
当初はこう見積もっていた。実際はこうズレた。その両方を残す。
計画を上書きしてしまうと、きれいな計画書は残りますが、自分がどこで何を読み違えたのかが消えます。
ズレの経緯そのものが、あとから見れば一番役に立つ記録なんじゃないかと思ったからです。
基礎学習を終えて、全部やり直した
ここまでで一度は整理がついたのですが、TypeScriptの基礎学習がひと区切りついたタイミングで、もう一度気になったことがありました。
そもそもこの6案、全部「会話の途中でたまたま思いついたもの」じゃないか?
思いつきの中から選んだ最良の1つと、ちゃんと発散させた中から選んだ1つは、別物です。
それで、アイデア出しから丸ごとやり直すことにしました。
先に評価軸を5つ決めた
今度は、案を出す前に評価軸を決めました。
1. 実際に使うユーザーがいるか
2. 作る動機を説明できるか
3. 学んだ技術と噛み合うか
4. 完成させられるサイズか
5. 改善していく物語があるか
先に軸を決めておいたおかげで、発散の途中で「これは良さそう」と流されずに済みました。
自分の体験を棚卸しして21案
そのうえで、自分の体験を棚卸しするところから始めました。
- 実務(Web制作)から — 見積もりシミュレーター、サイトの健康診断ツール、請求書・入金管理
- 競技(パワーリフティング)から — プレート計算機、ジム内のミニ大会を運営するツール
- 家族との生活から — 家庭菜園の管理アプリ
- 学習の過程から — 学習の積み上げを可視化するアプリ
この4つに加えて、前職の経験やブログ運営からも出しました。
3回に分けて発散させて、合計21案です。
「良い題材が思いつかない」と感じていたのですが、思いつかないのではなく、探し方の手順を持っていなかっただけでした。
自分の体験を領域ごとに棚卸しすれば、案そのものはいくらでも出ます。
結果、最初の案が生き残った
21案を5つの軸で評価した結果、先に作る2本として残ったのはプレート計算アプリと家庭菜園アプリでした。
最初に思いついていた案です。
一見すると、遠回りして同じ場所に戻ってきただけに見えます。
実際、先頭に来た答えは変わっていません。
落ちた案のほうが、軸が効いていることを教えてくれた
とはいえ、全部が元通りだったわけではありません。
いちばん作りたかったのは「学習の積み上げを可視化するアプリ」でした。
同じテーマが過去に3回も浮上していて、思い入れもあります。
でも4つ目の軸(完成させられるサイズか)で引っかかりました。
考えているうちに構想が膨らんで、一人で作り切れる規模を超えていたからです。
核になる部分だけ残して、順番を後ろに下げました。
逆の動きもありました。
当初の6案に入っていた時間管理アプリは、再出しで初めて出てきた「Web制作の見積もりシミュレーター」に順番を譲っています。
決め手は、先に完成させられることと、技術の見せ場が家庭菜園アプリと重ならないことでした。
やり直したから入れ替わった案が、ちゃんとあったわけです。
「たまたま」が「比較して選んだ」に変わった
変わったのは、その案を持っている自分の状態でした。
before: たまたま思いついた案。他にもっと良いものがあるかもしれない
after: 21案と比べて残った案。比較した上でこれを選んでいる
迷いが消えました。
これは想像以上に大きくて、迷いがある状態だと、実装中に少し詰まるたびに「そもそも題材選びを間違えたのでは」と揺り戻しが来ます。
その揺り戻しがなくなっただけで、手が止まらなくなりました。
面接で「なぜこれを作ったのか」と聞かれたときにも、比較の過程ごと話せます。
まとめ
- 候補が増えて動けなくなっていたのは、判断軸を決めていなかったから。自分の場合は「誰が継続的に使うか」の一点で並んだ
- 個人開発のポートフォリオでは、既存サービスを参考にすることにした。見せたいのはオリジナリティではなく実装力と説明力だと考えたから
- 計画がズレたら、上書きせずに変更履歴として残すことにした。ズレの経緯自体があとから効く
- 「良い題材が思いつかない」のではなく、探し方の手順を持っていなかっただけだった
- 先に作る2本は変わらなかったが、その次の順番は入れ替わった。やり直しで出た新案が古い案を追い越している
- やり直して同じ答えに戻ってきても、無駄ではなかった。 迷いが消える
もし今、題材選びで止まっているなら、案を増やすより先に「何で選ぶか」を決めるほうが早いかもしれません。
自分はそこで1ヶ月くらい足踏みしていました。
