面談のあと、なぜかモヤモヤした
転職エージェントとの面談が終わったあと、なぜか少し急かされたような感覚が残ることがありました。
「この案件、今週中にご返信いただけると助かります」 「他の候補者もいるので、早めのご判断をおすすめします」
言われている内容自体は、間違っていません。でも、そのたびに小さな引っかかりがありました。何かがおかしい気はするのに、それが何なのか言葉にできない。そんな状態がしばらく続いていました。
調べてみると出てきた「30〜35%」
気になって、転職エージェントの収益構造を調べてみることにしました。
エージェントは求職者からは基本的に料金を取りません。収益源は採用企業側にあります。求職者が入社すると、採用企業がエージェントに対して、その人の年収の30〜35%ほどを成功報酬として支払う。これが業界の一般的な仕組みでした。
年収400万円の人が決まれば、120万〜140万円ほどがエージェントの収益になる計算です。数字として見ると、思っていたより大きな金額でした。
「早く決めさせたい」が生まれる理由
この数字を知ってから、面談で感じていた「圧」の正体が見えてきました。
エージェントにとって、成約は早ければ早いほどいい。内定から承諾までの期間が延びるほど、求職者の気持ちが変わるリスクも、他社に流れるリスクも上がります。早期の意思決定を後押しするのは、ビジネスとして合理的な動きなのだと理解できました。
一方で、求職者にとっての最適は「早く決めること」ではなく「長期的に納得できる選択をすること」です。二つのゴールは重なる部分もあれば、ずれる部分もある。悪意があるわけではなく、それぞれが自分の立場で合理的に動いた結果、温度差が生まれる構造なのだと気づきました。
名前がつくと、感情が整理される
一番の収穫は、あのときのモヤモヤに名前がつけられたことでした。
「急かされた気がする」という漠然とした感覚のままだと、自分が神経質なのか、相手に問題があるのか、判断がつきません。でも「成功報酬型で、早期成約にインセンティブがある構造だから」と理由がわかると、感情ではなく構造の話として受け止められるようになりました。
体験に名前がつくと、それだけで扱いやすくなるものだと感じます。
ツールとして使い倒す
この構造を知ったことで、エージェントへの向き合い方が変わりました。
「圧を感じたら流されないように身構える」のではなく、「このタイミングで背中を押されるのは構造上そういうものだから、自分のペースで判断していい」と切り分けられるようになった感覚があります。
エージェントは敵でも味方でもなく、うまく使えば有益な情報源であり、選択肢を広げてくれる存在です。構造を理解したうえで付き合えば、振り回されることなく、必要な部分だけ活用できる。今回調べてみて、一番よかった収穫でした。
