自作アプリの制作で、AI のセッションを2つ並行して使っています。
片方が実装と撮影、もう片方が記録と整合の確認、という分担です。
その2つの間で「正しい報告なのに、必要なことが伝わらなかった」ということがありました。
「8枚が2列×4行」という報告
タブレット幅で公開ページを開いたとき、カードが2列に並ぶかを確かめる必要がありました。
実装側のセッションが 768px 幅でスクリーンショットを撮り、こう報告してきました。
8枚が 2列 × 4行で並んでいます
これは正しい報告です。
あとで画像を開いてみたら、そのとおりでした。
嘘も誇張もありません。確かめたかった「2列になるか」にも、正しく答えています。
それでも落ちていたもの
記録側のセッションが、その画像を1枚ずつ開きました。
すると、8枚のうち1枚が test という名前のカードでした。
動作確認のために作って、検証の途中で非公開と公開を切り替えたあと、
公開に戻したままになっていたものです。
その時点の公開ページに、そのまま出ていました。
人目に触れる場所です。
撮った側が見落としたわけではありません。画像を見て、枚数を数えています。
ただ、「2列かどうか」を見に行ったので、カードの名前は視野に入っていなかった。
それだけのことでした。
報告は「何を見たか」しか運べない
整理するとこうなります。
| 嘘をつかない報告 | できていた |
| 必要なことが伝わる報告 | できていなかった |
報告の正確さは、報告した側が見た範囲の中でしか保証されません。
範囲の外にあるものは、どれだけ誠実に報告しても伝わりません。
見なかったものは、報告の正しさとは無関係に落ちます。
前の日にも「確からしさと確かめたことを混ぜない」という形の気づきが3件あったのですが、
今回だけ形が違いました。
| 前の3件 | 今回 | |
|---|---|---|
| 何が起きたか | 確かめていないことを、確かめたと言わなかった | 確かめたのに、確かめた範囲が狭かった |
| 防ぎ方 | 自分で「未検証」と書く | 受け手が原本を開く |
前の3件は、報告する側が正直に書けば防げます。
今回は、報告する側の誠実さでは解けませんでした。
受け手が原本に当たる余地を残すことでしか解けない、というのが今回の結論です。
全部を見直す必要はなかった
「報告が正確なら確認は要らない」は成り立たない、と分かった一方で、
全部を見直すのも現実的ではありません。
今回やったのは、成果物そのものを1つ開いただけです。
画像を1枚。
それで見つかりました。
報告を読み直しても見つからなかったと思います。
報告には「見たもの」しか書いていないからです。
だから、受け取る側の運用としては、
報告を読むのに加えて、成果物そのものを1つ開く、で足りました。
スクリーンショットなら「撮れた」で終わらせず、中身を1枚見る。
それ以降、記録側の運用に入れています。
AI に任せるときも同じ
これは人に頼むときの話でもあり、AI に作業を任せるときの話でもあります。
2つのセッションで分業している構成そのものが、今回の素材になりました。
「ちゃんとやってくれたか」を疑うのは、あまり意味がありませんでした。
今回もちゃんとやっていました。
本当に。
考えるのは「見ていない範囲がどこか」のほうで、
それは報告からは分からないので、原本を開くしかない。
人間が原本を見る運用を残しておく理由は、そこにあると思っています。
