用語が分からなかったんじゃなくて、並べ方が壊れていた

転職先を調べていて、同じ日に2回つまずきました。

朝に聞いたのが「自社開発と受託とSIerとSES、どれがいいのか」でした。
昼に聞いたのが「アジャイルとスクラムの違い」です。

どちらも、用語の意味が分かっていないのだと思っていました。

違いました。
並べているものの次元が揃っていませんでした。

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4つは、同じ軸に並んでいませんでした

説明してもらって整理したら、こうなりました。

自社開発と受託開発は、誰のために作るかという分け方です。
自分の会社のサービスを作るのか、頼まれて作るのか。

SIerは、何を作るかという話でした。
企業の業務システムを一括で請け負う会社なので、受託開発の一種です。

SESは、どういう契約で人を出すかという話でした。

つまり、上位と下位が同じ行に並んでいました。
受託開発とSIerを比べるのは、麺類とラーメンを比べるようなものです。

英語のままだったのも効いていました

もうひとつ、混乱の原因がありました。

SIerもSESも、英語の頭文字です。
日本語に置き換えたら、途端に軸が見えました。

SIerはシステムを一括で請け負う会社、SESは技術者を客先に出すサービスです。
どちらも日本で作られた言い方で、英語圏でそのまま通じるものではありません。

もうひとつ知らなかったのが、元請けのSIerは開発会社ではないということでした。
主な仕事は要件をまとめることと設計と進行管理で、コードを書くのは下請けです。

SESと人材派遣の違いも、線が1本でした。
現場で指示を出すのが客先なのか、自分の会社なのか。
契約書の形式ではなく、実際にどちらが指示しているかで決まります。

開発手法のほうは、軸が3つ混ざっていました

昼のほうも同じ形でした。

一直線に進めるやり方と、短い周期を繰り返すやり方。
ここまでが進め方の話です。

スクラムやカンバンは、繰り返すやり方をどう回すかの具体的な手順でした。
アジャイルとスクラムを並べるのは、和食と寿司を並べるようなものです。

日々よく聞く言葉も、出どころが分かりました。
自動でテストを回す仕組みも、テストを先に書くやり方も、2人で1台を使って書くやり方も、同じ流派から出ています。

ついでに、思い込みが2つ壊れました

ひとつは、アジャイルだから設計書を書かない、という理解です。

2001年に出た宣言を読んだら、価値観を4つ並べたあとに一文がありました。
左側に書いてあることにも価値があると認めたうえで、右側をより重んじる、という趣旨です。

書かないとは書いてありませんでした。

もうひとつは、一直線に進めるやり方の出どころです。

その原典とされる1970年の論文を読むと、著者はそのやり方を勧めていません。
危険だと書いています。

最初のほうに出てくる図だけが独り歩きしていました。

上位と下位が同じ行に並ぶと、噛み合わなくなります

2年以上、この4つが分かりませんでした。

分からなかったのは意味ではなく、並べ方でした。
上位の概念と下位の概念が同じ行に並んでいると、比べようがありません。

厄介なのは、この状態だと会話も噛み合わないことです。

上位の話をしている人と、下位の話で受け取っている人がいて、どちらも間違っていない。
それでも話が進みません。

分からないときに、意味を調べるより先に、並べ方を疑ったほうが早いことがありました。

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